わたしを離さないで

11月18日(水)

11月も半ばを過ぎた。最近はゼミ生25名の卒論指導だけで精一杯。予想はしていたものの,いざその嵐の中に身を置いてみると,かなりしんどい。研究を進める時間は早起きしてもほとんどとれないという状況。今は目の前の仕事をこつこつ片付けていくしかないな。はぁ。

最近の出来事。インドネシアで学会発表。現地の学生とのやりとりが新鮮だった。帰国後,下痢で苦しむ。教員免許更新講習の講師で1日奮闘。ぼちぼちうまくできた。母がやってきて3泊。みんなで小豆島,寒霞渓に行くも,紅葉は全然。でも船に乗ったり,海宝に行ったりして楽しかった。次女の学習机が届く。私はレッツノートを購入。次はカメラだ。

池上彰「そうだったのか!現代史」「そうだったのか!日本現代史」
疲れている時に手に取る本としては,なかなかよい。相変わらずわかりやすいし,勉強になる。でも三宮の東横インに,日本現代史,を忘れてきてしまった。無念・・。

カズオ・イシグロ「私を離さないで」
2冊目のカズオ・イシグロ。最高傑作と名高い一冊だったが,期待通りの出来。すごくよい。インドネシアへの学会発表の時に持って行こうと思っていたが,離陸前に読み終わってしまった。とはいえ,すらすら読める,って本ではないんだけど。
設定はリアルではない。でもその基本的な前提を除けばすごくリアルっていう,この構造。小説の可能性を感じる。例えば,社会運動が盛り上がり,頓挫する,なんていう事態が小説のキーになるなんて,・・・ちょっと信じられない。
こういった小説の書き手が現れて,なおかつ評価されるってことは,社会が大人なんだろうか。日本語の書き手にも,こんなテーマで小説を書ける人がもっと出てこないかな。