日はまた昇る

8月10日(金)

ここ数日はいい天気が続いている。朝起きると今日も天気がよかったので,急遽,車で1時間ほどのBicesterというところのアウトレット・パークにドライブ。何かを買うつもりはなかったのだけど,ポロ・ラルフローレンで,珍しく私に合うサイズの黒のセーターを発見し,購入。妻と子供はCath Kidstonでエプロンと小さなバッグを入手。たっぷりサイズのジェラードも食べられて,皆ご満悦。




お盆前といえば,日本は一番暑い時期なのに,こちらは5月のようにさわやか。穏やかなイギリスの夏休み。このブログを書き終わったら,今日も庭でビールを飲もう^^

*****

ヘミングウェイ「日はまた昇る」を読了。先日,ロンドン三越の日本人向け書店で購入したもの。品揃えとしては商店街の小さな本屋,という感じだけど,久しぶりに日本語の本をいっぱいみたら,少し興奮してしまって,3冊も買ってしまった。値段が日本の倍ぐらいするのを知ったのは,会計時で後の祭り・・・。まあ,高いのは仕方ないけどね。

私にとっては初めてのヘミングウェイ。すごくおもしろく読める。最初は,昼間からお酒を飲みまくって,遊び回る若者の描写が続いて,なんだかな~と思っていたけど,話の舞台が闘牛祭りの開催されるスペイン・パンプローナ話に移ってから,俄然読ませるようなってくる。ストーリーとしては,1人のイノセントな女性を巡る男性陣のバタバタを描いた単純な恋愛もの?だけど,闘牛のお祭り(フィエスタ)の最中,という舞台設定と,1人1人の人物が背負うバックグランドが,物語に独特の雰囲気と緊張感を与えている。特に主人公が戦争の疵で性的な関係が持てない,という設定は,ブレンダとの関係になんとも言えない距離感をつくりだす。祭りが終わった後に,マドリードに移るラストシーンはすごくいい。その後の小説に大きな影響を与えた,というのもよく分かる話である。

しかしこの話,ほとんど同じことがパンプローナで起こったらしい。実際にあった話だからこそ,描写が鮮明になるのだろうけど,書く方はには相当な勇気がいるわね。周りの人も,本当に迷惑しただろうし(最後に作者と重なる主人公がいい目を見る,というのもちょっと・・・)。それぐらいしないと名作は書けない,のかな。