外国語学習の科学

2月21日(月)

神戸でJanetに会うまで10日あまりとなり、にわかにうまく英語でコミュニケーションがとれるのか、不安が募ってきている。昔に比べれば、それこそKevinのところに通う前に比べれば、会話はずいぶんとましにはなってきていると思うが、それでも最低限、というレベルからなかなか脱しない。ただ、最近は単語の覚えがよくなってきたような気もして、少しずつ会話に関する感覚も変わってきている。在外研究がかなり現実的になり、英語能力の上達が差し迫った問題である今、今年こそが、英語学習にとって重要かもしれない。

というわけで、英語学習のためのの新書、千野栄一「外国語上達法」白井恭弘「外国語学習の科学」を読んだ。どちらの本も有益ではあったが、前者は残念ながらちょっと古く(第1刷は1986年刊)、消化不良気味なのに対して、後者は最近の第2外国語習得研究の成果が解説してあり、大変に有益であった。以下、2冊のポイントについて、備忘録として記す。

・継続的な学習が重要な外国語習得には、目的意識が重要。
単語の習得がまず重要。基礎文法ももちろん重要。ただし、語学には文法では理解できないところも多く、曖昧性をもったものであることも理解しておく。
外国語習得には、インプット(読む、聞く)がまず重要。アウトプット(話す、書く)は、基本的にインプットをベースにしたものだから、それ自体から学習が進むのではなく、自動化(無意識にできること)が進むだけである。すなわち、インプットをメインに、アウトプットを少しずつやるのが効果的である。
・大人になってからネイティブのように発音する、というのは極めて難しいが、「通じればよい」と思うと改善もないので、上を目指しながら、うまくいかなくても落ち込まない、という姿勢が重要。
・会話の前にリハーサル(頭の中での会話の練習)が無意識できるようになればしめたもの

今後は、インプットとアウトプットのバランスに気をつけて、勉強を進めたい。漠然と思っていたことが本にも書いてあって、勇気づけられた気がする。

それから、大学の生協で見つけた大嶽秀夫「日本型ポピュリズム」も読了。ポピュリズムの定義と小泉・田中旋風の2000年初め頃の政治状況がよくわかった。田中氏に関するメディア報道の内容と彼女の側近への振る舞いの事実が全く違っていたようで、二重の意味で怖い。ポピュリズムの定義、以下にまとめておく。

「ポピュリズムとは、「普通の人々」と「エリート」、「善玉」と「悪玉」、「味方」と「敵」に二元論を前提として、リーダーが「普通の人々」の一員であることを強調すると同時に、「普通の人々」の側に立って彼らをリードし「敵」に向かって戦いを挑む「ヒーロー」の役割を演じてみせる、「劇場型」政治スタイルである。それは、社会運動を組織するのではなく、マスメディアを通じて、上から、政治的支持を調達する政治手法の1つである。」

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