2月23日(木)
今日の朝、ようやく在外研究用のvisaが届いた。こんなにほっとすることってないな・・というくらいの安堵感。大阪でのvisa申請の時に、ちょっとトラブル(というか、私の完全なミスだけど)があって、なんとかとりつくろって申請。かなりのショックを受けた。詳細はまだここに書く精神的余裕がない^^ その後に風邪で寝込んで、さらに、左目にもウィルスが入って、炎症を起こして・・・ショックの大きさが体に表れるところが、私らしい。
でも、無事にvisaを取得できて、エアチケットも確保できたので、これからは前向きにいろいろ計画を進められそうである。まずは一山越えた・・・か・・・。在外研究の間、あとどのくらいの山があるのかわからないのだけど。これは論文書き(というか、博士論文書き)にも似ているかも。
少し時間的に(精神的に?)余裕ができてきたので、ぼちぼちと本を読む時間が増えてきた。まあ、軽い本ばかりではあるけど、やはり本が読めるというのはいいものだな、と思ったりして。
柴門ふみ「いつか大人になる日まで」
visa申請の翌日、妻の実家の誰も見向きしない本棚でたまたま見つけた。漫画「あすなろ白書」の掛居保、というキャラクターの幼少時代のストーリーを小説としてまとめたもの。実は、大学生のころ、「あすなろ白書」を夢中になって読んでいたころがあって、著者と同様に、掛居君のキャラクターには、私も思い入れがあったのだ。こんなところで出会うとは、掛居君。
母子家庭に育ち、自分の想いを素直に表現しないことを条件づけられて育つ掛居君の幼少時代。掛居君は家庭の環境がつらすぎてそうなるんだけど、私が若い頃感じていたのは、臆病であるが故に、「いい子」であるというスタンダートから逃れられず、自分を表現できないもどかしさ、だったと思う。なんだか掛居君に似たところを感じて、当時一生懸命「あすなろ白書」を読んでいた記憶がある。
やはり漫画を専門とする人の書いたものなので、小説としての完成度は今ひとつかなと感じる。でも、掛居君は魅力的。著者と同じように、世間でも掛居君が気になった人は多かったのだろうな。偶然、この本に出会えて、若い時の気持ちがよみがえった気がした。
村上春樹「やがて哀しき外国語」
出版直後に読んで以来の再読。やはり自分が外国に行くことになって、ちょっと気になり、熱のある頭で読んだ。今読むと、1990年代の時代の雰囲気が感じられておもしろいな、思う。湾岸戦争のころは、私はなんと高校生!だったのだな。
村上春樹「おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2 」
昨年の夏前ぐらいの出版だと思う。すぐに買ったはずだけど、そのときはなんだかトーンが合わなくて、最初の数ページを読んで置いておいた。ちょっと前にふと目について読み出すと・・・おもしろいこと。いくつかのストーリーは声を出して笑ってしまった。なんの話だったか、今は思い出せないけど・・・でも、そのぐらいの軽い感じがこの本の持ち味ですね。イラストを描く大橋歩さんが、巻末に村上さんとの仕事がいかに特別かって話を書いていて、とてもよくわかる気がした。「なんであなたがっ」ていわれるのが、逆にうれしくなるぐらい、特別な作家、ってことですよね。
中山元「フーコー入門」
フーコーの概説書。誰でもわかるってほど簡単ではないけど、とてもよい本。私の師匠が昔から「監獄の誕生」という本の話をよくすることがあって、なんだかよくわからなかったんだけど、今回その謎が解けた。囚人は監獄で監視されているうちに、自分から監視の目を意識した行動を取り出すという、フーコーの権力への洞察。こんどは、実際に「監獄の誕生」を読んでみよう。
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