イギリス研究生活

11月21日(水)

朝,6時20分,起床。メールを確認し,日本のニュースサイトに目を通す。7時ごろ,子供たちが起き出し,朝ご飯。今日は,クランペッツというイギリスのパンケーキのようなものを食す。食感はよいが,ビネガーの酸っぱいにおいが鼻につき,はっきりいってうまくない。バターとジャムを両方つけて,なんとかこなす。イギリスのうまいもの探しは9割方失敗に終わっている(唯一の例外はサンデーロースト)。これについては,妻はあきらめモード。

7時45分ごろ,歯磨きと着替えを終えた子供たちが日本のお勉強開始。いつもはベネッセの「チャレンジ」をやるが,今日は次女だけ国語の教科書をやることに。好きな自動車を選んで,その絵を描き,絵の下にその車の「しごと」と「つくり」に関する文章を書く。次女は「アイスクリーム・トラック」を選択。日本語を書く機会が少ないので,なるべく多く書かせるようにする。ノートに下書きした上で,コピー用紙に清書。なかなかの出来で,次女も満足の様子。

8時30分過ぎ,子供たちが登校。妻は学校まで送っていく。私は,軽くストレッチをした後に,PCの前でBBCのサイトをチェックし,英語の勉強。記事を読み,ビデオでヒアリングのトレーニング。今日はボーイング社が,飛行機を作る際に,その部品を運ぶ巨大飛行機のビデオを見る。すごい。BBCはよい仕事をする(最近,不祥事が多いみたいだけど)。30分ぐらい見て,シャワー,歯磨き,ひげそり。時間は9時半過ぎ。

今日は雨が強いし、特に大学に用事もないので自宅で仕事をすることに。10時頃からダイニングの机で仕事開始,と思いきや,来月予定している旅行のホテル予約を急がないと,部屋がなくなりそう,と妻の声。急いでBooking.comで予約。このサイトがあることで,どれぐらい海外旅行が楽になったかわからない。安定していて,便利。すばらしい。ロンドン,キングス・クロスのプレミア・インを2泊予約。その後,仕事開始。渡航前から書く予定だったサプライチェーンの原稿を執筆。ようやく全体の流れが出来て,それなりに進む。

12時,昼食。妻が子供たちのお弁当と一緒につくってくれたハム&チーズと卵のサンドイッチ。妻は食パンにサラダを挟んで食べる。イギリスの外食産業の酷さと日本食のすばらしさについて,の定番の話題。ちなみに,イギリスで一番ひどかった料理は某日本料理チェーン店の味噌ラーメン,とは妻の意見。

13時,仕事再開。原稿の続きを執筆し,その後,日本から持参したロジスティクスの教科書を読む。内容はよいが,日本語訳がひどい。たまに自分の理解力が乏しいのか,訳が悪いのかわからなくなってくる。15時ごろ,メールへの返信作業。日本からは,来年度の授業に関するメールが増えてきた。来年度の授業についても,考えないとな。

15時30分過ぎ,子供たちが帰宅。おやつ&宿題のお手伝い。今日は,長女のトランペットの練習にもつきあう。ずいぶんうまくなった。その後,雨があがったので30分ほど家の周りを散歩。16時過ぎだけど,外は夕焼け。



その後,また少し仕事,というか勉強。マーケティングの教科書を読む。日本にいるとなかなか読む時間ないので,貴重。

17時45分ごろ,仕事を打ち切り,食卓へ。ワインをちびちび飲みながら,夕食を待つ。あては子供用のサラミだが、ワインには合わない。18時過ぎから夕食でオムライス。その後,パソコンの前で30分ほど動画編集ソフトのインストール&動画編集を試みるが、うまくいかない。仕方なく、あきらめる。

19時半からシャワー。その後,寝室で団らん。20時半から読み聞かせ。21時前,子供たちが就寝。その後,読書。A Pale View of Hills がようやく終盤。2回読むと,理解も進むようだ。22時30分,就寝。

かくも穏やかなイギリスの研究生活。贅沢きわまりない。明日は大学に行こうかな。




Workshop in Barcelona


11月9日(金)

ワークショップに参加するため,バルセロナに滞在中。ワークショップは,今日でなんとか終了。その後,S先生と早めに夕食をしまして,くつろいでいるところ。いやはや,疲れました。このワークショップのタイトル,すごく長くて印象深いから,ここに貼り付けておこう。WORKSHOP ON JOURNAL PUBLISHING FOR NON-NATIVE ENGLISH-SPEAKING RESEARCHERS IN OM。

もちろん,自分の英語の論文がジャーナルに投稿するレベルにないことは,よくわかっていた。でも,いざこちらのPh.D.の学生に,ががっと突っ込まれ,コーディネータの先生(すごく有名なロンドンビジネススクールの先生)に,私が院生に指摘するような当たり前のことを指摘されると(なんで,そんな間違いを犯したのだろう・・・),やっぱりかなり落ち込む。僕は,こちらの大学院生と同レベルか,それ以下なんですね・・・悲しいけれど,それが今の現状です。

でも今回で分かったことも多いので,それを活かして,なんとか前に進んでいかなければ。長期的に見れば,すごく価値のあるワークショップだった,ってことになりそう。そうしなければならないな,と思うし。

しかし,こちらの院生の優秀さには舌を巻いた。オーストリア,スペイン,イラン,タイ,スウェーデン,フィンランド,イタリア。どの院生も優秀だし,浮ついたところもない。黙々と目標に向けて歩いている感じ。この人たちがこの後,学会を引っ張っていくんだな~という印象がある。いや,10年,20年後の日本のアカデミアとの差は,もっとひどくなってくるな。それぐらい圧倒的なシステムと条件の差があるのだわ。

それを考えるとJリーグは偉大だ。あれと同じことを経営学でもやらないといけないのだけど,現状では全く想像できない。

でもまずは,自分の研究。しっかりやろう。

遠い山なみの光


10月31日(水)

28日にサマータイムが終わって,夜暗くなる時間が急に早くなった。夕方4時には薄暗くなり始め,5時には真っ暗。今日はハロウィーンだけど,近所の子供たちは真っ暗な中,家々を巡ることになるようだ。わが家の子供たちも,近所の同級生に誘ってもらい,一緒に近所の家を巡ることになっている。興奮気味に,イベントを待っている様子はほほえましい。私は,子供たちの後から様子をうかがいについて行く予定。さて,どうなりますか。

暗く寒い冬を前にして,今月は小旅行を2回。先々週はオックスフォード,先週はコッツウォルズへ。紅葉も町並みも美しく,満足。イギリス製の愛車・ボクスホールも,なんとか無事に動いてくれていて,一安心。あと半年,なんとか故障なく,動いて・・・くれ。




少し前に,カズオ・イシグロ「遠い山なみの光」を読了。著者のデビュー作で,舞台はイギリスと日本。長崎からイギリスに移り住んだ悦子の現在と過去の回想が中心。イギリスでは長女の自殺という悲劇を背負う悦子が,いつもは離れて暮らす次女ニキと過ごす数日間の話。他方,日本の物語は過去の回想で,悦子と友人・佐知子、そしてその娘・万里子との交流の話。最後に2つのストーリーが重なり合って幕。ただ,この重なりが最初はピント来ず,解説を読んで,ようやく合点した次第。物語には他にもいろいろなエピソードがちりばめられていて,やや焦点がぼけるというか,ちょっとわかりにくいのかなぁ,と思う。

でも,日本人同士の会話がとても日本人らしくて,この本が翻訳ということを忘れるぐらい自然。これは翻訳者がすばらしいことはもちろんだけど,これがどんな英語から翻訳されているのか、という点にも,ちょっと興味が湧いた。

ということで,今、原著 "A Pale View of Hill"を購入して,読んでいるところ。半ばぐらいまで読み進めたけど、原著も翻訳も,今のところ同じ雰囲気。でも,それは当たり前か。これについては,また後日。

今,家にtrick or treatといって,少女たちがやってきた。いよいよ,ハロウィーンだな。