Say the word

12月28日(月)

今年も押し詰まってきました。1つ1つ仕事は片付きつつありますが,大きな論文が一本。年を越すこと確実。まあ,ぼちぼちやるしかないですね。

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ネットに接続されたパソコンに向かっていると,思わずyou tubeに見入ってしまうことがあります(危険)。そこで最近,Say the wordという安室奈美恵のpvを偶然見つけました。最初は何となく見ていただけなのですが,数回見ているうちにはまってしまい,ここのところ毎日見ています。pvどころか,歌詞のある曲すら聴く機会が激減している最近の私なので,新鮮だったのかもしれません。

なんといっても,赤い衣装でのダンスがいい。南国と思われる小さな空港の滑走路。プロペラ機のような小さな飛行機が時よりフレームにかかります。バックの空が段々明るくなってきますが,曇りがちで,不安定な心持ちの歌詞とかぶります。それがまたいい。ずっと見ていたくなります。

調べてみると,この曲は2001年8月発売。小室プロデュースから独立した第1弾シングル,とあります。最近の安室さんの復活は,ここから始まったわけですね。2001年といえば,私もまだカラオケに行く機会もありましたし,ランキング等はチェックしていたと思うのですが,あまり記憶にありません。あまり売れなかったのでしょうか。

ちょっと興味が出たので安室さんの最近のpvもyou tubeで見たのですけど,さほどピンと来ないのですね。ちょっとかっこよすぎる・・・という感じ。私にとっては,小室テイストがやや残ったsay the wordの方が心地いい,ということでしょう。若い時代に親しんだものが,体に染みついているというか。よくカラオケで聴きましたもんねぇ。Body Feel Exitとか,You are Sunshineとか。懐かしいなぁ。

ただ,安室さんにしてもテイストを変えていかないと,自分のモチベーション的にも耐えられなかったのでしょうね。それもすごくよくわかります。その模索から,現在の人気があるわけですが,ファンは昔の姿を求めている部分もあったりして,難しいのですよね。

たぶん,安室さん的にもsay the wordのようなテイストの曲,pvはやろうと思えばいつでもできるのでしょう。でも,それを求めていない部分がある。無理にやっても,乗り切れず,昔のようなクオリティではできない。そういうもんなんだと思います。宮崎駿もそうだし,坂本龍一もそんな感じがします。トトロやenergy flowは,もうできない,と。だから一瞬の輝きを逃がさないように鑑賞する必要がある,ということなのでしょうか。儚い。

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というわけで,卒論読みに戻ります。図書館の3階という結構集中できる場所を見つけたので,そこに行ってもう一仕事です。

反貧困

12月19日(土)

あいかわらず週末の研究室です。寒い。しかし,寒い。この研究室はいったいどうなっているのだ,という感じで寒いです。暖房の吹き出し口が入り口の上にある,のが解せない。と,今更文句を言っても仕方ないわけではありますが。

来週に向けて,報告資料1,論文1本の完成がノルマになります。ただ,あまり悲壮感なくやれているので,プロセス自体は順調かなと思います。淡々と仕事がこなせるようになってきたのが,最近の進歩ですね。V10の長谷川穂積が言っていた「地味に防衛し続けます」には,通じるところを感じました。しかし,長谷川はすごい。

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さて,湯浅誠「反貧困 すべり台社会からの脱出」岩波新書,についてです。著者は貧困問題を支援するNPO法人の代表を務めていますね。昨年末,派遣村が(偏った視点から)クローズアップされた際に,よくテレビに出ていた人でしょうか?違うのかな?ちょっとわからないのですが,履歴には東大政治学研究科の博士課程単位修得とあります。学問的な教育を受けている人なのですね。そのためもある思いますが,文章は非常に平易で,読みやすいです。

この本を読むきっかけになったのは,立花・佐藤の著書に加えて,たまたま話しをした高校生2名が両者ともこの本を読んだ,と聞いたからでした。私は知っているようなふりをしていましたが,実は未読(笑)。本の存在は知っていたのですが。ただ,その高校生たちが「貧困は,自己責任でなるのではない」と繰り返していたので,ちょっと気になったのでした。やや偏った意見だな,と思ったわけです。

で,本を読んでみた訳ですが,自己責任ではなく貧困に陥るケースが存在していることについては,よくわかりました。この本で一番大切なのは「溜め」という概念ですね。例えば,リストラや派遣切りになって,収入がなくなった際に,例えば,一時的に家族の収入に頼ったり,あるいは,友人に就職の口を紹介してもらったりできるのは,その人に「溜め」があるからであると。また,少なくとも健康体であれば,それも「溜め」があることにもなります。

しかし,例えば,家族とすでに死別していたり,故郷から離れて友達がいなかったり,また,病気を抱えていたりすると,その「溜め」がなく,貧困に一著線に「落ちて」いきます。そこに,社会にセーフティーネットの綻びが重なると,真の貧困が生まれる。このロジックは,かなり明確に伝わってきます。つまり,「溜め」のないひとを貧困から救うのが,セイフティーネットである,と。また,自己責任論に起因する「がんばりすぎ」が,貧困の悪循環を招く点についても,納得できます。これらの点だけでも,この本を読む価値はあったなぁと思いました。

ただ,アカデミックな教育を受けていた人にしては,やや記述が一面的なのが気になります。例えば,生活保護の申請を窓口で却下する件に関する記述です。申請に第三者が同行すると,以前は却下された申請がすんなり通るケースがある,という事例を引いているのですが,なぜそんなことが起こるのかについては触れていません。これでは,単に窓口の人が「悪者」になってしまいます。財政難や申請に関わる事務負担の多さ,コミュニケーションの難しさ,など,考えられる理由はいくつかあります。例えば,貧困層の人たちは,精神的にもかなり追い込まれているはずですから,コミュニケーションは難しいはずですし,そのことは著者自身がよく知っていることでしょう。そのことが,行政の方の負担になっている側面はないのでしょうか。このような不備が発生する理由について触れなければ,読者は行政に悪の印象を強くもっています(その側面があることは否定しませんが)。

といったように,貧困層の側だけでなく,行政の側からもなぜそうなっているのか,について,少しでも注釈があれば,もっと公平に理解できるのになぁと思いました。ただ,貧困の現実,貧困という現象を知る上では,とてもよい本だと思います。いざというときのために「溜め」をつくろう。それが合い言葉です。

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13時に約束した人が研究室に来ません。やれやれ・・・昼ご飯まだなのに,食べにいけないのよ。

ぼくらの頭脳の鍛え方

12月16日(水)

先週末は,学生と一緒に東京に行ってきました。他大学のゼミ生と共に合同ゼミを実施。なかなか充実していました。プレゼン大会では,我がゼミ生のグループが1位と3位を獲得し,学生は大喜び。私もうれしかったのですが,他のゼミに悪いような,でもほっとしたような微妙な気分でした。なんとなく落ち着かなかったので,その後の懇親会などで,働きまくりました。はは。

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東京への行きと帰りは新幹線で。その中で立花隆・佐藤優「ぼくらの頭脳の鍛え方」文集文庫,と湯浅誠「反貧困 -すべり台からの脱出」岩波新書,を読みました。どちらも,よい本でした。

私がこの仕事に就いて教養不足を痛感したのは,立花隆さんのこの本を読んだ後でした。ひどくショックだったことを覚えています。それまでは必死に自分の専門の本だけを読んでいた(読まざるを得なかった)わけですが,それではダメだ,と気づかされたわけです。私たちの世代は,強制的に本を読むような雰囲気が大学になかった世代です。絶対的に教養がない。それをどう克服するか。私たち世代の教育者全員が,よい教育をするために真剣に考えなくてはいけない問題です。

今回の著書からも同じような感覚を受けるわけですが,その衝撃は昔より軽くなっていました。立花氏,佐藤氏の2人が話している内容自体には,そんなに新しいことは多くなく(他の著書からも,その内容が伺える),付属の「読むべき本」のリストの方が重要,という気がします。今後本を選択する上でのよいバイブルができました。もちろん,全体としても,非常によい本なんですけど。

そして,そのリストからまず一冊選んだのが「反貧困」。こちらももよい本でしたが,感想は後日。

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来年の1月までに書かないといけない論文が2本半。さて,できるのでしょうか・・・。

人間の器量

12月7日(月)

先週も嵐のように過ぎていきました。水曜日には神戸で懸案のプレゼン。MD研究のレビューを発表してきました。共同発表者の皆さんの助けもあり,こちらは無事終了。よかったです。まだ,この内容を論文にする作業が残っていますが。続けざまに金曜日には,インターゼミ企画のプレゼン資料提出日。こちらは,学生の資料作成にアドバイスをしながら,深夜まで。一喜一憂。まあ,そんなもんですね。

というわけで,週末はようやく一段落して,ゆっくりしました。土曜日は,ほとんど寝ていましたが,昨日はなんとか復活して,散歩に出たり,今後の予定を考えたり,メールを書いたり。こういうのんびりした週末が,いいですね。初冬の気候も,のんびりするのに,ぴったりしています。

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神戸出張の帰り道に買った福田和也著「人間の器量」を読了。この著者の本を読むのは2冊目で,1冊目の「悪の読書術」はなかなかおもしろく読ませてもらいましたので,これも期待して買いました。日経には大きな広告が出てましたね。人気の著者なのでしょうね。今,アマゾンで調べたら,すげーいっぱい本,ありますね。

私自身は,「器」とか「器量」とかいう言葉に,わりと反応するところがあります(斉藤孝さんの「読書入門 人間の器を大きくする名著」,もそうでした)本のメッセージは,日本の器量の大きな偉人を紹介しながら,現代にも「器量の大きな人」を育成しよう,ということ。人間として一部に欠陥があるだけでも,叩かれまくる現代では(タイガーウッズ,かなり可哀想ですよね),過去の偉人のような器の大きい人が簡単には出てこない。けれども,現代でもリーダーたるものは,器の大きな人でないとダメだ,ということ。もちろん,納得です。

ただ,結局「器が大きい」とは何なのか,というのは,やや曖昧なままなのが,残念だなぁと。器が大きいかどうかは,まず本人の柔軟さや豪放さにあると同時に,世間がそれを受け入れるかどうか,ということにも依存しているように思えます。なかなか複雑な概念です。この概念をより精緻化して論じてくれたら,なお一層,よかったのになぁと思う次第です。「いきの構造」みたいに。

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・・・と書きながらつらつら考えましたが,器,とか,器量とか,やっぱり難しい概念ですね。ちょっと考えてみよう。

忙しい

11月22日(日)

嫁が手伝いに出るはずだった幼児園のイベントは中止。インフルエンザの園児が多く,園閉鎖も多いためだとか。開催されていれば,1日中子供の面倒を見るはずだったのだから,仕事的には幸い。というわけで,学校で仕事することに。

午前中に研究室に到着。6時半まで,レビューにいそしむ。なかなか計画通りに進まず,夕方,A先生に助けを求める。レビューの一部を快く引き受けてもらい,感謝。翌日の午前中も一応時間が使えるが・・・,どこまで進むか不安を残す。

夜,なんとなくの不安感から,持って帰った2本の論文にざっと目を通す。うち一本は,どうも重要そう。途中まで読んで,ちょっと安心感が出たので,レビューはやめ。寝る前に「罪と罰」の続きを読んだ。ようやくおもしろくなってきた。

11月23日(月) 勤労感謝の日

朝起きて,早速レビューを開始し,昨晩ちょこっと読んだ1本を片付ける。11時ごろに学校到着。ブログ書きなど。12時から学生との面談。学生のアンケートの進捗が気になるが,あまり進んでいない様子。来たのも2人だけ。こちらも,やや不安が増す感じ。

13時から,某会社向けのアンケート作業開始。アルバイト学生2人とI先生,K先生と共に。アンケートとお願いの手紙のチェックにやや時間を要す。アルバイトの学生2人もできる仕事が終わって,手持ちぶさたになるなど,やや進捗が遅れる。結局,アンケートの封入作業を開始できたのが5時。終了が7時半。私の段取りミスで,仕事の1/4ぐらいが残ってしまった・・・。

その後,臨時で手伝ってもらった学生1名を加え,教員2名と学生2名で鉄板焼き屋で食事。なんだかんだで終わりが12時前。翌日のことを考えずに,長居してしまった・・・。ゼミって難しいなぁ・・・と改めて実感。K先生の話がおもしろく,学生も興味津々であった。

11月24日(火)

昨日積み残した仕事を2人の先生と共に片付けるため,9寺半集合で学校へ。琴電&自転車で。ほどなく頭痛に襲われる。飲み過ぎ&寝不足の時に出る特有の症状。11時半ごろ作業は終了し,その後学生の相談を受ける。12過ぎに終了するが,ぐったりと何もできなくなる。

13時に某企業へアンケートを渡しに行く。無事,任務完了。帰りがけに頭痛薬を買い,おにぎりを押し込んだ後に,飲む。ややましにはなるが,完全には直らない。ツライ。

14時から学生が相次いで研究室に。アンケートの最終微調整&印刷。15時半に終了。その後,K先生とお話。ややショッキングな話だが,考えるのは後回しで,とりあえず仕事の残りを片付ける。16時20分から5時間目開始。軽い頭痛の中,なんとか乗り切る。最近,綱渡りのような授業が多い。まずいよなぁ・・・。

19寺半,帰宅。食事をして,倒れるように寝込む。子供より早く寝るなんて,ここ最近なかったよなぁ・・・。

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ここ3日ほど,あまりに忙しいので,記録として書いておきました。なるほど,忙しいでしょ?


レビュー

11月22日(日)

11月もすでに後半です。異常な忙しさの先週前半を何とか乗り切り,やや弛緩ぎみの週後半でした。が,そうとばかりもしておれず,今日は仕事です。しかし,研究室が寒くなりました。なんだか暗いし。

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12月2日(水)に,私にとってのビッグ・イベントが迫っています。研究会での既存研究レビューのプレゼンです。これまでの私の研究は,直接関わる既存研究が少ない分野をやってきたので,どうしても型どおりのレビューができない,というところが大きな課題でありました。つまり,レビューについては,そのあり方にかなりバリエーションが考えられるわけです。広くやるか,浅くやるかにかなり選択の幅があるという状況。深くやるにはかなり異分野の研究を取り込む必要があるわけで,自ずと限界があります。

そのような状況であると,どうしてもレビューに甘えが出ます。「この分野だから,レビューはこの程度で仕方ないような・・」というような気持ちが,どうしても,心の片隅にあるわけです。しかし,そのような甘えが,論文に致命的な欠陥をもらたす,ということを痛いほど知ったのが,昨年夏の出来事でした。そんなことから,昨夏以来,もう一度既存研究のレビューのやり方,位置づけを考え直して,徹底的にやろう,と心新たにしたのでした。12月2日のプレゼンは奇しくもレビューの発表。共同での担当のため私だけの責任ではありませんが,やはり昨夏の体験からも中途半端にはしたくないな,という気持ちが少なからずあります。

研究歴も10年を超え,多少は習熟した面もあるのか,レビューの作業自体にかつてのような息苦しさはなくなった気がします。ただ,やっても,やっても飽和感,やりきった感がないのは,この作業独特のもので,時より漠然とした不安がよぎります。まあ,少なくとも経営学の研究者は誰しもそうやって,既存研究に向き合っているのでしょうから,仕方ないわけではありますが・・・。

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昨日は,88番札所・大窪寺に紅葉を見に出かけました。こぢんまりしていますが,なかなかの景色でした。何より,家族での外出が久しぶりだったので,ずいぶんリラックスできたように思います。年末にかけて,一泊でどこかにいけるといいなぁ・・・。それまで,あとひとがんばりしないといけませんんね。

昼ご飯を食べたら,早速レビューの続きに取り組みます。

罪と罰

11月14日(土)

週末に出勤するのが,どのくらい続いているのでしょうか・・・。疲れが溜まっていますが,仕事が山積みですし,仕方ないですねぇ。インフルエンザにかからない程度にしないと・・と思っております。がんばれ,免疫力。

時間があまりとれない中ですが「罪と罰」の下巻を読み始めています。この大書,読まないとな,と思いながら今の歳になり,最初に手にとったのは・・・・1年ぐらい前でしょうか。上巻を読み終わり,一時休憩。半年以上たって,ようやく続きを読み始めました。

なんといっても,同じ人物が文中で異なる名前ででてくるのが,なんとも言えず読みにくい。いつまで経っても,「えっと,この人誰だっけ」,と思いながら読むというのは,ストレスが溜まります。心温まる話でもないですし,日本語もあまり読みやすくないし。新しい翻訳もあるようなので,そちらで読んでみる方が,無難なんだろうなぁ,と思っています。

ただ,ずっと読んでいると,読むコツのようなものは身についてくるみたいですね。内容については,うむむ,というくらいで,特に胸に響くようなところには至っていません。そんなもんなんでしょうか・・・。

万年筆

11月7日(土)

今日も休日出勤。本来はゼミで合宿をする予定でしたが,学校の方が活動しやすい,ということで,昼は学校でゼミ活動をし,夜は飲み会,そしてまた明日ゼミ活動,という変則的な合宿になりました。まあ,お金もかからないし,なかなかよいアイディアだなと思います。その分,私は研究室で2日間を過ごすことになってしまうわけですが。外はいい天気だなぁ・・・。

というわけで,今日の夜はゼミの飲み会なわけですが,その後に,ゼミ生OBの結婚式二次会に参加します。私のゼミ1期生の女性です。彼女たちも,そんな年頃になってきたわけですねぇ。

昨日は,結婚するお二人に対して手紙を書きました。なんでも披露宴で読まれるそうで,やや緊張します。最初はパソコンでさらさらっと書けばいいかと思ったのですが,某現役ゼミ生に「それは直筆じゃないとダメでしょう!」と指摘されまして。確かに。

そんなことで,昨晩はパソコンを前に文章をチェックした後に,いざ清書に。そこで思い出したのが,昨年博士論文完成のお祝いに義理の妹・弟からもらった「万年筆」でした。今こそ出番だ!

ほとんど使っていなかったのですけど,この書き味が最高!ボールペンとは雲泥の差です。だからといって手紙の内容がよくなるわけではありませんが,書き間違いも1回だけで済んで,無事完成しました。よかった。

万年筆にはインクも入っているし,当分はコンスタントに使っていこうと思います。万年筆ファンの気持ちがちょっとわかりかけてきた夜でした。

文化の日

11月3日(火) 文化の日

文化の日は「日経経済・経営図書文化賞」の発表日である。さっそく日経の朝刊をめくると受賞作はわずかに3作。経営系の著作はなし。「ビジネス・インサイト」は,最終候補作にとどまったようである。残念。近年は,論文ベースで仕事をする研究者が多くなり,それを一冊の本にまとめ上げる機会が少なくなっているのではないか・・という論評は的を得ていると思う。それに加え,大学の研究者に課せられる仕事が多すぎる。大学制度の見直しが行われるのは,いつになるのかなぁ。

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「1Q84」を読了。非常によくできた作品だというのが第一の印象。読み進むごとに,読者に伏線の存在に気がつかせていき,後半になっていくごとに魅力が増す。読む価値のある小説だと思う。

村上作品を読み続けてきたものとしては,これまでの著作のエッセンスがちりばめられている点が興味深い。「世界の終わり・・」や「海辺のカフカ」で用いられた2つの物語が同時並行に進むスタイル,「羊を巡る冒険」の羊を思わせる「リトル・ピープル」の扱い(リトル・ピープルは,他の短編にも出てきたような・・・),「アンダーグラウンド」で取り上げた新興宗教の世界,「ノルウェイの森」から現れた克明な性的描写・・・などなど。もっとあるのあもしれないけど,村上作品の総決算,的な評価が現れやすいのかな,という気がする。

読んでいて気になったのは,物語のテーマに関するやや「ずれた」感じ。例えば,新興宗教の世界観へのとまどい,とか,人生のキーポイントとなる幼少期の体験,とかが,なんとなく私個人の経験や感覚とはずれるかなぁ,と。宗教の問題は未だに大きな社会的な問題,というか現象だけど,それが自分に差し迫った問題になっておらず,なんとなくずれた感じを受ける。また,幼少期の体験についても,私が幸運にして幸福な幼少時代を送ったからかもしれないが,それが人生に決定的に影響を与える,という感覚がどうもずれた感じ生んでいるように思う(逆に大人になってから性格に変化が生じることの方が個人的には興味深い)。よくできた小説だと思うけど,その辺がいまいちのめり込めない原因になっていのではないか,というのがごくごく個人的な感想である。

しかし,物語の中で「空気さなぎ」がベストセラーになり,そのことが物語を進めていく1つのポイントになり,その物語の媒体である「1Q84」がベストセラーになる,という現象には妙な感覚がある。村上さんの著作は,「ノルウェイの森」以降,ここまで売れることはなかったから,この爆発的な売れ方には村上さん本人もとまどっているのではないか。ほんと妙だ。「ノルウェイの森」とは違って,これまで村上さんの本を読んでいなかった人には,なんのことかさっぱりわからないはずだしねぇ。

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この本に関しては,いろいろ解説本が出ているようである。どんなことが書いてあるのか,興味はあるけど・・・いずれ本屋か図書館でパラパラと見てみよう。素っ頓狂なことが書いてあるとおもしろいんだけど(笑)



ひさびさ

10月25日(日)

休日の大学です。ここのところ忙しく,サイトもほったからしになっていました。ひさびさ。

やはり休日の職場は,少し違った雰囲気でいいですね。誰も来ないし,リラックスできます。仕事がないと,よりいのですけど。

この間,わりと読書生活は充実しておりまして,様々読んだのですけど,アップする余裕,気力がなく今に至っております。一応,メモがてら,リストアップと簡単なまとめだけ,しておきますか。

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旭山動物園について知りたくて,読んだ本。小菅さんは,その立役者。到津の森公園は,北九州にある動物園。いずれも,復活を遂げた動物園であり,二人の対談形式で本が進む。2つの動物園の様子はよくわかるが,可もなく不可もなく,といった印象。

任天堂の近年の変革について,ジャーナリストがまとめた本。分析はなく,ほとんど二次資料から構成される。任天堂は調査も容易でないので,仕方ないし,内容も率直で好感がもてる。岩田,宮本のコンビはすごい。

病気を防ぐには免疫力を高めよ。ストレスや睡眠不足はもっとも悪い。薬は飲むな,というメッセージ。最近,この手の健康論が多いみたいですね。体温を上げろ,とか。

ノーベル物理学賞受賞のファインマンの自伝。堅い話はなしで。でも,その思想や生き方はすごくつたわってくる。秀逸。

「市場志向」に関する研究成果を,日本企業を事例に説明。なかなかよい本ですね。学部生には最適の本かもしれません。

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というわけで,今は「1Q84」にやっと手にとっています。2巻の半ばあたり。3巻も出るらしいですね。

差別と日本人

9月25日(木)

北海道から戻って、シルバーウィーク後半をやりすごし、久しぶりに職場に。英語レッスン、学生2名と面接でほぼ時間がなくなったが、帰宅途中に宮脇カルチャーセンターで本を買い込む。最近はやや本の購入を控えていたせいか、目につく本が多く4冊購入。久しぶりに本にお金を使った感じ。研究はとりあえずのノルマをこなす。

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「ソフィーの世界」は上巻を読み終わったので、ちょっと一休み。北海道旅行中は、他の本に手を出すことに。まずはR.P.ファインマン著「ご冗談でしょう、ファインマンさん」。ノーベル物理学賞受賞者のお気楽エッセイであるこの本は、かなりのヒットなので、改めて感想を。

それ以外に読んだのは、辛淑玉、野中広務「差別と日本人」。日経の広告で目につき、高松空港書店で購入。この手の書籍に手が伸びることは、実はほとんどないのだが、最近やや政治家のことが気になっていて、その中でも気になる1人が野中氏、というわけで、ざざっと読ませてもらいました。

勉強不足もあり、内容自体については、あまり書けることはない。が、差別は、それをなくそうとする行動自体が差別を強固にする側面があり、また差別の解消を求め活動すればするほど、活動家やその家族が苦しむ、という構造を持っており、解決が難しいことがよくわかった。経営系の本でいえば「OLたちのレジスタンス」と同じ構図である。苦しんでいる人が多くいることがよくわかるだけに、心が苦しくなる。しかし、これらに関しては、別の意見もあるのだろうなぁ・・・。というわけで、機会があれば、別の角度からの著作にも目を通してみたい。一応、その手の本であろうと目星をつけているものはあるのだけど。

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明日は手帳に何の予定も書き込まれていない。真っ白は久しぶり。有効に使いたいなぁ。

不具合発生

5日の東京出張から帰宅。帰りの羽田からの飛行機は,いったん離陸したものの,不具合が発生して,羽田に戻ることに・・・あわわ。

私の席は左翼のちょうど横のあたり。離陸したときから妙な音がしていて,気になっていました。すると,油圧系統に不具合発生,羽田に戻る,のアナウンスが。15分程度で羽田に着陸,とのこと。まさか!!

周囲の乗客は,あまり気にしないように振る舞っているようで,機内は意外と平静。私は初めてだけど,よくあることなのかなぁ・・・。しかし,いろいろ考えてしまうし,あまり思い出したくない15分でした。無事,羽田着。ほっ。

空港に降りると,タラップがあり,下のバスへ移動。タラップからは私が乗っていた席の横にあった左翼の根本あたりの下に,タオルが敷き詰めてあるのが見えました。オイルが垂れていたのかなぁ・・・怖い。

別の飛行機で(同じ飛行機を修理して飛ぶのだけは勘弁,と思っていたので,よかった),1時間後に再び離陸。ちょっと聞き慣れない音がするだけで,びくっとしましたが,今度は無事高松に着きました。やれやれ。

なんだか一層飛行機に乗りたくなくなりましたわ。明後日,また乗ることになるんだけど・・・。

メモ

一日ら学生と共同の取り組みが続く。午前中は,観音寺商店街活動「ドピカーン観音寺」のケース作成のまとめ。最終ミーティングとなるかなぁ・・・。午後は,松浦唐立軒へのインタビュー調査の顔合わせ。学生とともに,営業活動のインタビューを行う予定。こちらは,これからが本番。やれやれ,仕事は続きます。

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ソフィーの世界について。重要な点,確認を含めて,メモ代わりにまとめます。書かないと忘れる,は,フィールドワークの鉄則ですが,最近読んだナンバーで,野村監督も強調していました。

デモクリトス:世界には無限に多様な原子がある
ソクラテス:わたしは自分が知らない,というたった1つのことを知っている。認識の確か基礎とは理性だ。
プラトン:イデア論。自然界のすべての現象は永遠の型,つまりイデアの影だ!
アリストテレス:人間は生まれながらにしてイデアなどもっていない。形相と資質。論理学,概念と概念を関係づけることだ。中庸の徳。
アウグスティヌス:イデア論とキリスト教の関係。イデアは神のもの。
トマス・アクィナス:アリストテレスとキリスト教の関係:真理のうちのあるものは理性と観察によって得られる。真理のあるものは,神が聖書を通じて示している。
ルネサンス:源に戻れ!サン・ピエトロ大聖堂。経験的方法。
フランシス・ベーコン:知は力だ
ガリレオ・ガリレイ:慣性の法則
アイザック・ニュートン:万有引力の法則
バロック:いびつな真珠。メメント・モリ(死を忘れるな)
デカルト:方法序説。本当の意味で存在するのは何か。疑わしいと考えているならなば,そう考えている自分がたしかに存在する。コギト・エルゴ・スム。神の存在は考える私とまったく同じぐらいはっきりしている。二元論者。思惟と延長(ひろがり)。
スピノザ:あるのはたった1つの実体だ。一元論者。神すなわち自然。神がすべての出来事の内なる原因である。

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ああ,疲れました。ちなみに,上巻には,ロック,ヒューム,バークリが残っています。

明日から東京出張です。

営業改革

午前中は休憩しながら、今後の戦略を練る。研究会まであまり時間がなく、とりあえずMD研究のレビューを最優先でやることにする。11月末の流通研究投稿締め切りに、間に合う・・・だろうか??

午後から文献サーチに。論文検索のトライアルが無料で使えて便利。あいかわらず、大学の検索システムは、わからん状態。

しかし、必死に探索するも成果なく。merchandisingはあきらめるしかないよう。他のキーワードで早くからやっていればよかったか・・・。今日は成果を出さねば。

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仕事の関係で、高嶋克義「営業改革のビジョン」を再読。営業改革のための要点を整理するにはうってつけの本です。問題は、営業経験のない学生がこれを呼んでピントくるかどうか・・・。どうやって学生に(学問的に)営業の勉強をさせるのか考えないといけません。

ソフィー

昨日は朝一番から,会議。その後,研究会のために神戸に向かう。道中に,観音寺のケースの添削がほぼ完成。残り少しである。お昼は,サンドイッチとあんパン。

13時30分から研究会。やや不穏な空気か。提示されたMD概念を理解しようと必死になるも,研究者が必死にならないと理解できない概念に,やや不安も。質問,やや不躾だったかも,といつも通りに不安になる。

終了後,飲み会に参加。帰りの時間を気にしながら,で,これまたいつも通り,あまり楽しめず,帰途に。新幹線は,後輩と一緒に。仕事の打ち合わせと,今日の研究会の感想。いつも通りの,がんばらないと,で締め。また,週末に一緒に仕事の予定。今度は東京だ。

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ここのところ,「ソフィーの世界」を少しずつ読み進めている。哲学だけではなく,ヨーロッパの政治,宗教の流れが絡んできて,こりゃ,すごい本である。勉強になる,けど,読むのは大変だなあ。20代に読んだ時に挫折したのは,仕方ないな,と思う。今読むのがベスト。

もうすぐ,上巻を読了。古代の思想から始まって,今はデカルトのあたり。ここまでくると少し予備知識があるから,読みやすいかも。

休日

昨日は,家族で買い物ツアー。友人の出産祝いその他もろもろを買いに,オモチャ屋と本屋へ。どちらも,子供の遊びにメニューには事欠かず(しかも,タダだし),安心して買い物ができました。

昨日訪れたオモチャ屋は,2年前に街中から郊外に移転した個人経営のお店。新しいお店には初めて伺いました。昔,インタビューしたこともあり,お客としても何度か訪れているので,オーナーも顔を覚えてくれていました。郊外での商売の様子,いろいろ伺うことができました。なかなか,大変なようですね。実力のあるオーナーですし,しゃべりもうまいので(よくお話してくれます),経営自体は大丈夫だとは思うのですが。

その後,宮脇カルチャースペースに。最近,新しい本の購入を控えていたので,いろいろ目につきましたが,とりあえず2冊ほど買いました。友人の子供へのおみやげの絵本も,いい本が見つかったと思います。

夜は晩酌してから,テレビで日本代表のサッカー観戦。日本もがんばっていましたが,いかんせん実力が違いますね。最後は,みていてややツラくなりました。

というわけで,だらだらっとした一日でした。休日っぽいといえば,そうなんですけど。こういう休日をこれからどれぐらい過ごすのでしょうかね。

お菓子の展示会

長旅から帰ってきて1週間ほど。疲れも抜けないまま仕事に復帰したからなのか、週末を前にやや疲れております。疲れていると、気持ちもなんとなく、晴れなくなります。まぁ、いつものことではありますが。

というわけで、今日の午前中は少しゆっくりしてみました。ゆっくりシャワーを浴びて、だらっとしました。お昼はラーメンの「大」(ここが重要)を食べた後に、喫茶店でこれまたゆっくりコーヒーを飲んできました。少し、リラックスして、元気になったような気はします。

本日は、15時から菓子卸の展示会に行きます。地域貢献の仕事の一環です。卸の展示会は初めてですし、しかもお菓子ですから、ちょっと楽しみです。学生も2人連れて行きます。楽しくできるといいですが。

何かおみやげがあるかなぁ・・・?

長旅

新潟から敦賀に渡る船が5:30に入港し、そのまま車で移動。8時半に嫁の実家に戻ってきました。今回の旅程、記しておきます。

高松→加東市(兵庫県)→名古屋市(愛知県)→上山田温泉(長野県)→安中市(群馬県)→新潟市(新潟県)→敦賀市(福井県)→加東市(兵庫県;現在)→高松

ふう。なかなかの長旅ですね。約1400キロほど、車に乗ることになりました。・・・疲れました。

明日、高松に戻ります。

30代半ば

先日、某テレビで「35歳から40歳までの生き方が重要」という話を聞きました。20代で無茶をしても、30代半ばからで軌道修正できる。また、この時期の生き方で40代、50代の生き方も決まる、とのこと。

確かにそうかもしれません。がむしゃらに走り続ける20代から30代になると、やや一服感があり、精神的にゆとりが出てきます。子どもも生まれたりして、そこで手一杯、ということもあるかもしれません。

で、30代後半を迎える訳です。35歳の今、確かに感じるのは「このままでは・・・」という焦燥感、というか、不安感というか。このままでも普通に生きていける。でも、このままではだめじゃないか、という感じ。一昨年ぐらいから徐々にそんな感じが増してきました。

とはいえ、目の前のことを1つ1つ着実にこなしながら、前に進むしかないことも、これまたよくわかっているのですが。

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明日から少し長期の休暇をとって旅に出ます。全く仕事なし、ってわけにいかないところがちょっとツライですが、そんな中でもできるかぎりリフレッシュできるようになるといいですよね。

では、いってまいります。

広い

研究室で細かい仕事をぼちぼちこなしています。眠いので、あまりはかどりませんが、とりあえずは、仕事が1つ1つ終わってはいきます。やれやれ。

研究室が隣の某先生が、内田樹氏とけっこうな知り合いであることが判明しました。私はこれこれが、大好きなのです。夏になると、哲学を勉強しようと、あまり開かない本を開くのですが、特にこの2冊はたびたび読ませてもらっています。ちなみに、今夏はこれを読んでいます。結構長い間読んでいて、「1Q84」にとりかかれません。ふぅ。

しかし、某先生は顔が広いなぁ。

高松まつり

お盆に高松に居るのは、あまりないことです。この夏の帰省は、来週にまとめて兵庫&群馬へ。というわけで、お盆の先週は家族でのイベント多数実施で、なかなか充実していました。水曜日と木曜日は、子供をつれて、初めての高松まつり&花火。金曜日は七五三の写真早撮り(料金が安いので)。昨日は、帰省のためのお土産を買いだしに行きました。

高松まつり、には初めて行きましたけど・・・う~ん、なんということもないお祭りですね。散髪屋の主人いわく「地域の盆踊りに毛の生えたような」祭り。納得。だからといって、無理に祭りを盛り上げることも難しいですしねぇ・・・。

ただ、四国内で有力な祭りをもっている徳島(阿波踊り)と高知(よさこい)が、四国では存在感が薄いというのも事実。地域と祭りの関係には、やや複雑なところがありそうです。誰か研究しているのかなぁ。

追記:今日からグーグルにサイトを変更しました。どうでしょうか?