ブラック・ダリア

2月15日(火)

どうも最近寝付きが悪いと思っていたら、昼間にコーヒーを飲み過ぎていることに気がついた。・・・と言っても、2杯ぐらいだけど。今日からは昼間のコーヒーを止めで、生活リズムを整えよう。なんとか自分の研究に集中できる体制を整えなければ。

ジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア」を読了。寝付きが悪いせいで読書の方は割と進み、昨晩は久しぶりに深夜まで読んでいた。元々は馳星周さんの本を好んで読んでいた時に、彼が頻繁に言及する作家ということで記憶していた。「ノワール」というのだろうか。本書は著者のLA4部作の第1作にあたる。

エリザベス・ショートという若い女性の惨殺事件を巡り、ブライチャートとブランチャードという2人の元ボクサーの刑事が奮闘する前半部分。似た名前で読みにくいな、と思いつつ、最初は「相棒」みたいな、コンビものかと思ったのだが、なんという勘違い。話は徐々に陰惨さを増し、意外な展開を見せていく。ブランチャードは中盤で姿を消し、その後は殺人事件を巡る中で落ちぶれていくブライチャートの人生に殺人事件の謎解きが加わっていく。後の解説でわかったことだが、この殺人事件は実際にあり、未解決のままになっているそうだ。

殺人事件を巡るストーリーは複雑で、伏線がそこかしこに潜んでおり、前を読み直さないと何のことかわからない部分もある。もう話は終わりか、と思いながらも、次々と新たな(そして更に憂鬱になる)ストーリーの流れが生まれ、話は深く、暗く展開していく。そこから感じられるのは、著者の異常なまでの執着、執拗さ、である。通常のモチベーションでは、この異常に暗い話をここまで徹底的に書ききれないだろう。そこに若干の恐怖を感じるし、読後も陰鬱な圧迫感を感じる。さらに言えば、作家の力量が一番恐ろしいかもしれない。

あまり気軽に読める類のものではないが、作品としては一級品だと思う。同じ著者の「LAコンフィデンシャル」は映画で見たような気がする。また気が向いたら、LA4部作のどれかを読んでみようと思う。

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