「銅メダル英語」をめざせ!

10月17日(月)

後期の授業が始まって2週間ほど。最近、来年度の在外研究の大枠が固まって、ややほっとしている。なんだか慣れない交渉を続けていても、うまく進んでいるのかどうかがわからないので、常にどこかに不安感がある。こうしてある程度話が固まると、その不安感も少し和らいだようだ。なんだか情けない話だけど、寝付きもよくなった。

学生のころは、海外の大学に行こうなんて微塵も考えなかった私のこと。この歳になったって、やはりこの類のことがそれほど得意とは思えない。はっきり行って、苦手な部類だろう。常に過大な不安感があるわけではないのだけど、微妙で、漠然とした不安感が頭の片隅から離れない。そんな感じが、自分を不安定にしてきた気がする。

とはいえ、後はビザさえうまくとれれば・・・というところまできた。こんな感じで、あと半年も過ぎていくんだろうな。少しは楽しみながらできるといいけど。

以下、読書メモ。

池上彰「そうだったのか!現代史」
私にとっては2冊目の「そうだったのか」シリーズ。相変わらず読みやすい。教科書と何が違うのだろう・・・。20世紀の前半は世界大戦、後半は冷戦、という世界の流れの中で、その中心にあるのは共産主義だった、ということがよくわかる。知っている話もあるけど、詳細は知らない話が大半。現代という時代が、いかに血塗られているかを再認識させられる。

浅羽通明「アナーキズム」
普段なら多分読まないであろう、アナーキズム思想の話。確か、宮崎哲弥氏のこの本にレビューがあって、ちょっと買ってみたんだな。アナーキズムの本質は、最初の章に集約されている。アナーキズムの一方の極は「行動的アナーキズム」、つまり、一切の権力、強制の廃絶、個人の自由の完全な実現を目指す。他方の極は「啓蒙的アナーキズム」、つまり、ジョンレノンの「イマジン」のように、反戦平和を祈願する善男善女の夢想。アナーキズムが、近代の原理主義、という表現もうなずける。

古賀茂明「官僚の責任」
最近、経済産業省を辞職した元官僚(この本の執筆時はまだ官僚だった)の著書の新書版。官僚の思考パターンが説明されており、勉強になる。ただ、官僚の思考が「なぜそうなるのか」については、やや消化不良気味。また今後のあるべき施策については、この著者の価値観が前提として議論されるようなところがあり、そんな簡単に結論が出るのなら、苦労はしないけどな・・と感じさせるところもある。

林則行「『銅メダル英語』をめざせ」
著者は投資ファンドのファンドマネージャー。米国のMBAを出て、現在は「金メダル英語」を使いこなすが、以前は英語が嫌いで、その習得に試行錯誤を繰り返してきた、とのこと。英語嫌いから発想した英語習得法、ということだが、その内容はかなり参考になった。一番のメッセージは、「目指す英語によって、学習法は違う」ということ。まずは、銅メダル英語を目指し、簡単なフレーズを、日々の生活の中で使えるようになるようにスピーキングを強化。その後は、銀メダルならリーディング、金メダルならリスニングの強化へと移る。至極真っ当で、長期的な英語学習を考え得た際には、参考になることが多かったと思う。

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