赤と黒

12月29日(水)

昨日は、1日合同庁舎で仕事。やや荷が重く、疲れた。これで仕事が終われば楽だけれど、卒論の添削が残っている。相変わらずペースは上がらず。ただ、これが終われば、今年は自分の論文のことはとりあえず置いておいて、少し休もうと思う。なんといっても、忙しい1年だったし、それくらいはいいかな。

ようやく「赤と黒」を読了。たしか、韓国でも読んでいた記憶があるから、かれこれ3ヶ月くらいかかったわけだ。時間がないのはそうなのだけど、それほど読書欲を誘う本でもない。読書リストなんかには必ずはいる名著なのに、その魅力がつかみきれず、ダラダラと読み続けた感じ。

主人公ジュリアンを中心に、恋愛関係を巡る心理描写は克明で、時に克明すぎてよくわからなくなるほど。好きじゃないけどアプローチして、そのうちに好きになって、苦しみ、また気が変わる。時に理由がよくわからないまま、揺れ動く心のありよう。また、当時のフランスの政治状況も、随所で記述される。他方、登場人物の行動については、本当にあっけないほどの記述。性的な描写も皆無で、子供が出来て、初めてそういう関係があったことがわかる。もちろん、意識してのことだと思うけど。ラストの書き方なんかは、その集大成みたいにあっけない。

ただ、読後の感覚はちょっとおもしろかった。読んでいる時には、あまり何も感じないんだけど(時間がかかりすぎたせいもあるけど)、読み終わるとじわじわと心に迫ってくる。野望をもち、知性と美形と繊細な心を武器に成り上がるが、破滅し、わずか23歳で果てる。その人生のあり方は、やはり悲しい。最後のジュリアンの心の描写が、その悲しみを一層強めるようだ。読後の感覚からすると、やっぱり独自のものがあるのかな、と感じる。今の若い人にお薦めか、と言われると、う~んと考えてしまのだけれど。


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