イギリス近代史講義

7月11日(月)

昨日は,神戸に日帰り出張で,今日は疲れぎみ。ぼちぼち明日の授業の準備をしないと・・・。授業もあと2週間とちょっと。なんとか乗り切らなくては。

イギリスに行くまでに,イギリスと日本に関わる本をいろいろ読んでおきたい。川北稔「イギリス近代史講義」は,うってつけの本だ。イギリスの近代史について,いろいろな観点のことが「ざっくり」書かれている。歴史学者っていうと,資料の取り扱いから解釈まで,非常に厳密におこなう印象をもっていたけど,これは良い意味でざっくり。著書の最後にもこんな記述がある。「歴史を単語の暗記などではなく,大づかみにとらえる見方の一例となれば幸いです」(p.264)。このスタンスはいいですね。

キーワードとしては,「都市化」,「世界システム論」,「成長パラノイア」,などいろいろあるだけれど,やはり「イギリス衰退論争」をとりあげた最終章が一番興味深い。現在の有力な学説では,「イギリス経済の本質は,産業資本主義(つまり「ものづくり」)ではなく,ジェントルマン資本主義,つまり,資産を他人に貸し付けることで利益を得る地主・金融資本的なものにある」(p.243)ために,現在でもシティが元気なイギリスは衰退などしていない,ということなのだそう。う~ん・・・そうなのか・・。

日本はあきらかに「ものづくりの国」だから,この論理でいけば,ものづくりが衰退すれば,衰退ということになる。そうなると,他国と競争のできる「ものづくりのコア」をどこにもっていけばいいのか・・・。地方の産地にそれを求めるのは,やはり無理のなのかなぁ・・・。

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