日本機械工業の社会的分業構造

7月9日(金)

有給で休み。嫁が人間ドックに言っており不在。ほぼ1日中家に独りでいる。珍しい。

例年通りの忙しい7月である。観音寺の商店街とのコラボが毎年この頃になるからで,かれこれ10年目のおつきあいとなった。その間,商店街は衰退の一途であるが・・・。ただ昨日は,漆氏とお話して,なんとなく明るいイメージを持つこともできた。観音寺の商店街にとっては,今年がターニングポイントになってほしいなぁと思う。私にできることは最大限やろう。ただ,あまり張り切りすぎないように。

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直接研究に関わる本については,あまりここに書かないのだけど,ちょっと前にレビューした,渡辺幸男「日本機械工業の社会的分業構造」には,感銘を受けた。1997年の出版ながら,主体となる調査は70年代後半から80年代。その意味で「かつて」の工業集積の姿を描いており,現代はちょっと違う,というのは,その通りだと思う。

しかし,長期間の調査を1つに凝縮したような本の構成からは,この著者が東京の大田区を中心とする機械工業集積の調査に全力を傾け,それこそ一生涯をかけたのだろう,ということが見て取れる。見て歩き,聞いて考えた結果としての工業集積への深い理解が,この本の言われ得ぬ迫力につながっていると思う。

正直に言って,中小企業研究については,やや偏った印象をもっていたのであるが,こういった研究を目の当たりにすると,その研究蓄積にも目を向けざるを得ない。不勉強を恥じるのみである。また,1つの調査対象を生涯にわたって調査し続ける,という研究姿勢には,あこがれを感じるところもある。決して器用な感じはしないけれども,研究者の1つのモデルのような気がした。

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