リプレイ

8月3日(火)

ケン・グリムウッド「リプレイ」を読んだ。久しぶりの海外小説。もともとは、恩田陸さんの「小説以外」に記述があったので、書店でこの本が目についたのだろう。SFものというか、空想ものというか、この手の小説におもしろいものが多い(例えば、「料理人」)ってことがわかってきたのは、恩田さんのこの本のおかげかもしれない。感謝。

若い頃に戻る、つまりリプレイする、という単純な発想ながら、戻る前の知識を持ったまま戻る、という要素と段々戻る時点が現在に近づく(歳をとった時点に戻される)という要素を加えることによって、ストーリーは多様に展開していく。設定が簡単なためか、話に勢いがあるし、純粋に楽しい。読む価値のある小説である。

この設定なら、全く別のストーリーも可能だろう。例えば、リプレイはあまり多くせずに、人生の苦悩をより深く書き込む手法はあったはずだと思う。例えば、子供を失うことのつらさに焦点を絞ったりして。この小説がヒットしたことで、そういった別バージョンの小説は、絶対に現れないだろうけれど。

この本を読了後、ようやく1Q84の第3巻にとりかかる。さて、いかに・・・。

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