ビジネス・インサイト

8月2日(月)

昨日は家族サービスで商店街&石明かりロードに繰り出し、えらく歩かされた。健康にはよさそうなものの、本日はやや足が痛い。とはいえ、やっと前期の仕事がひと段落してきて、気分的にはよい感じ。猛暑もそれほど気にならない。早朝の散歩を復活させなければ。

石井淳蔵「ビジネス・インサイト」をちょっと前に読了。ちょっと乗り遅れた感があるけど、非常におもしろく読める。石井先生の筆力は、あいかわらずすごい。「マーケティングの神話」の続編だったとは、読むまで知らなかった。

内容については、まとまった文章を書けるほど理解しているどうか怪しい。しかし、石井先生が議論として分けている「実証主義的な理解」と「偶有性を想定した理解」が、本当に対立するものなのかどうか、という点が、個人的には気になっている。

経営における1つ1つの意思決定の過程の多くは、確かに「他でもありえた現実・世界」としての偶有性が存在しただろうと思う。多くの意思決定者は、多くの選択肢の中で迷い、そして場合によっては、思いもよらないアイディアを実現させていくことになる。しかし、マクロで見ると、つまり、多くの意思決定を集計してみると、試行錯誤を続けながら、その意思決定にたどり着く人が多くいるということがあるのではないか。結果的には、偶有的な現実の中で意思決定をした人たちが集まることによって、ある種の法則性が生まれれることはありえるように思える。もちろん、どのように法則性を記述するかが、重要になるのは間違いないのだが。

昔、石井ゼミの某先輩が、飲み会の席で「コミュニケーションなんて、基本的には成り立たない」という発言をされて、びっくりしたことがある。本書を読んで、15年ぶりぐらいに、ようやくその意味が理解できた。コミュニケーションの不確実性を踏まえた上で、のコミュニケーションという行為をどのように理解すればいいのかは、依然としてわからないのだけれど。


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