アフターダーク/悲しみの果て

3月28日(月)

震災から約2週間が過ぎた。直後は毎朝起きると原発のことが気になり、ニュースをチェックしていた。しかし、原発の状況が落ち着くに従って、この場所での生活は平常に戻りつつある。テレビはあまり見ないが、家族を亡くした人のドキュメントのようなものだけ、思わず見てしまう。ツライ。本当にツライが、一方でこういった悲しみに接することぐらいしないといけないのでは、という気がしてしまう。そんなことをしても何も変わらないのだけど。私の日常は、あまりにも平和すぎる。

今は家族が兵庫の妻の実家に戻っており、一人暮らし。黙々と論文を書いている。本来ならこの時期には群馬の私の実家に帰省する予定だったのに、震災でそれがキャンセルになり、結果的に論文を書く時間ができた。皮肉なものだが、それを活かすしかない。まだ論文の前半だが、すぐに壁にぶつかり、悩みながら書き進めている。ただ、それもあまり苦にならない。久しぶりに論文を書く感覚の中に戻ってきたな・・という感じ。さて、4月までにどこまで進めるか。諸般の状況から考えても、ここはストイックにやりきりたい。

冬の初めごろから、ぼちぼちと村上春樹氏のインタビュー集「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」を読み進めていたのだけれど、すでに既読のはずの「アフターダーク」と「スプートニクの恋人」の内容をほとんど覚えてないことがわかった。特に「アフターダーク」は全く記憶がない。両書に関するインタビューの内容が理解しにくいので、再読することに。

というわけで「アフターダーク」なんだけど、やはりあまり何も残らない・・・のが正直なところ。ラスト近く、姉のベッドに入っていくマリの描写のところだけが輝いている感じ。やはり実験的な意味合いが強いかな、と思う。

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さっきたまたま見つけたエレファントカシマシ「悲しみの果て」は心にしみる。被災者の皆さんに早く素晴らしい日々が来てほしい。

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