At the end of stay


3月26日(火)

ニューポート・パグネルのホテル「デイズ・イン」で,この文章を書いている。イギリスでの生活も実質あと1日。明日は,借りていた家のインベントリー・チェックを受けて,鍵を返し,ヒースロー空港の近くのホテルに向かう。明後日の昼過ぎには,成田行きの飛行機の中にいるはずである。まだ安心はできないけど,イギリスでの在外研究はおおよそ終了。この日がすごく先のような気がしていたけど,振り返ってみれば,あっという間の1年。まあ,どんなところにいても,この感覚はあまり変わらないのかもしれないけど。

在外研究で執筆した論文は,以下の通り。英語の論文3本。うち,2本がカンファレンス用のプロシーディング・ペーパー。1本はジャーナル投稿用。日本語論文1本。企業のウェブ向けの論文が1本。自分用のメモみたいな論文が1本。

振り返ってみると,研究的にはやり残したことが多く,悔しい気持ちの方が強い。滞在の前半は,方法論の勉強にずいぶん多くの時間を使って,こちらで主流のケース方法論はおおむね理解したと思う。しかし,具体的な論文のイメージは,まだあまりはっきりしない。ケースを使った実際の論文をもっと多く読まねばならないのだろう。今回のカンファレンス・ペーパーも,このあたりがもっと理解できていれば,違った形のものになったのになぁ,という気がする。

また,本の執筆とアパレル研究のレビューには手がつけられなかった。本はいつになったら書けるのかなぁ・・・。アパレル研究もデータが古くならないうちにいろいろやらないといけないのだけれど,サプライチェーンの研究をもっと突き詰めたい気持ちが今は強い。うむ,結局在外研究を経ても,中途半端に力が分散される状況は改善できなかったのだ。この点が私の業績のペースを落としているのは,わかっているのだけれど。

反省ばかりになるけれども,人とのつきあい方についても,うまく行ったとは言いがたい。滞在の終わりを迎えるにあたって,何人かの人に挨拶に伺ったけれども,みんなすごく親切に接してくれる。今思えば,早い時期に私の方から積極的に関わっていれば,もっと多くの人たちと交友できただろうと思う。ふと人を避ける性格。こればかりはなかなか直すのは難しいのだけれども,つくづく自分が嫌になることもあった。とはいえ,終盤になって,ジェフ,ポム,ファルーク,マックスらとずいぶん親しく話せるようになって,まあなんとか帳尻を合わせることはできたのかもしれない。英語の能力をもっと磨いて,関係を維持できるようにしっかりやろう。

もちろん,多くの成果があったのも事実。なんとか英語でコミュニケーションをとることができるようになった。ヨーロッパのアカデミアの様子がある程度わかった。英語の論文もなんとか書けるし,方法論についての理解も進んだ。イギリスという美しい(けれど,おいしいもののない)国で1年という時間を過ごし,魅力的な人たちと友達になった。そして何より,家族との一体感を感じながら,日本にいる1年よりも圧倒的に濃い時間を共有した。家族,という観点から見れば,人生の宝のような時間だったと思う。

イギリスで出会った人たち。皆優しい人ばかりだった。ありがとう。何より,私のわがままにつきあってイギリスにきてくれた家族に心から感謝。妻の献身,娘たちの素直さと適応力,そして3人の明るい笑顔がなければ,この滞在は成り立たなかった。

Thank you very very much for everybody who has supported me !



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